Entrepreneur.comで“10 Things Your Mother Taught You That Will Help Your Business Grow”と題して、母の日に合わせた記事が公開されている。
とっくの昔に母の日は過ぎているが、アメリカと日本の違いなどが面白かったので、リストされていた10の「母の教訓」を簡単に翻訳・要約して紹介しよう。
お母さんが教えてくれた10のビジネスアドバイス
1. 姿勢を正しなさい
投資家や顧客や面接希望者など、誰であっても礼儀を忘れずに、とのこと。
目を合わせること、正しい姿勢、ハキハキしゃべることなど、お母さんが子供の頃くれたアドバイスは大人になっても役立つものだ。
小さい頃は父と母に食事時のマナーをうるさく指摘されうんざりしたものだが、食事時に音を立てて食べる人などをみると、小さい頃からの積み重ねが大事なんだと両親に感謝するもの。
Entrepreneur.comでわざわざ取り上げるほどのことではないと思わなくもないが、ビジネスの場でも基本的なマナーは忘れないようにしたい。
2. 部屋を片付けなさい
あのベンジャミン・フランクリンも「1分間を整理整頓に使うごとに、1時間を得ることができる」と言ったそうだ。
整理整頓の重要性については、様々な数字を用いながら解説している“Organization and Time Management Equals More Time“という記事が面白い。
この記事で紹介されている内容は、当ブログの過去の記事でも和訳して紹介しているので気になる人はチェック。ウォールストリートジャーナルによれば、アメリカの管理職は、散らかった机から必要な情報を発掘するのに、1年間のうち平均6週間を費やしているらしい。
オフィスやデスクを片付け、スムーズな作業ができるようにすることは、きっと業績にもつながるはずだ。
3. 分け合いなさい
記事は、”Coopetion”は起業家に取って非常に重要な物であると指摘している。
“Coopetion”という単語は、Competing companies (競争する企業)同士のCooperation (強力)を表す造語だ。
競争する同業者であっても、オフィスをシェアしたり、一緒にまとめて何かを発注したりなど協力する事ができれば、コストカット、利益増加、新規顧客の獲得に繋がるということだ。
4. テレビ消して寝なさい
睡眠不足は認識能力と注意力を低下させるから、生産的・効率的・健康的でいるために、とにかく寝ようということだ。
5. 外で遊びなさい
元記事は、外に出る事は二つの点から重要だと指摘している。
まずは文字通りの意味で、外で体を動かし、新鮮な空気を吸う事で、ストレスを減らし創造性をアップすることができるということ。
次は比喩的な意味で、ぬくぬくと快適な所に留まらず、現在のターゲット層から“外に”出て、次なるマーケティングキャンペーンのために考えを巡らせるべきだ、ということだ。
6. これ終わらせるまでは外行っちゃだめ
原文は”No going out until the chores are done.”で、「日常の雑事が終わるまでは外に出ない」という感じだ。
日本でも「宿題やるまで遊びに行っちゃだめよ!」と言っているお母さんは多いのではないか。
ビジネスに当てはめれば、面倒な仕事は一日のうちの早い時間に終わらせる癖をつけるべきだ、ということ。
元記事によれば、やりたくない仕事を終わらせるのに必要な自制心は低下していくから、午後にはそこまで気合いを入れる必要がない自分の好きな仕事を残すようにしようとのこと。
7. マネするってことは、憧れているってこと
これは日本のお母さん達はあまり言わないかもしれない。
原文は”Imitation is the highest form of flattery”で、直訳すれば「模倣はお世辞の最高の現れ」となる。
アメリカでは、次のような文脈で使われる表現のようだ(実際にこんな風に使われているのかは不明)。
こども「ジョンが僕のやる事を全部まねするんだ!やめさせてよ!」
おかあさん「Imitation is the highest form of flattery. マネされるっていうことは、ジョンはあなたに憧れているのよ」
これがビジネスにどう関係するのかというと、「賞賛されているブランドをマネする事をためらうな」という事のようだ。起業家は、マネしたい憧れのリーダー達に積極的に接触して、彼らの知識を借りる事ができないか頼んでみるべきだというわけ。
ちなみに、これは19世紀イギリスの著名な作家Charles Caleb Coltonが”Many Things in Few Words”という教訓集的な本の中で書いた言葉が元になっている。
現在でも、日本でいうところの「偉人の名言集」的な本によくColtonの言葉が取り上げられるそうだ。
便利な事に、今はネットで”Many Things in Few Words”電子版を無料で読む事ができる。
Coltonの教えに興味がある人は、読んでみてもいいかもしれない。
ちなみに、”IMITATION is the sincerest of flattery.”という記述はp113にある。
8. 退屈ならば、まず自分が面白い人間になれ
退屈だと愚痴を言っただけで、お母さんに「退屈な人間だけが退屈するのよ!」なんて怒られたらショックだが、アメリカでは多くのお母さんが口にするらしい。
自身のマーケティングやプロモーションが面白くないと感じたら、顧客も同じく退屈していることに気づくべき、という当たり前の教えだ。
人々を引きつけて、新しい顧客を獲得するには、恐れを捨てて行動することが大切とのこと。
9. あなたと同じ人なんて他にいない
要するにオンリーワンってことだ。
同業者との競争をしているうちに、自分がそもそもなんでこのビジネスを始めたんだろうか・・・と初心を忘れてしまうかもしれない。
その時には、お母さんのこの言葉を思い出そう。
Entrepreneur.comの元記事では、自分たちのビジネスだけが持っている強みを知る事で、競争相手に勝ち、顧客に本当に価値のあるものを提供できるのだと述べられている。
10. 「ありがとう」を言いなさい
以上のようなアドバイスをくれたお母さんに、ありがとうを伝えよう!ということで記事は締めくくられている。
非常にアメリカっぽい。
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