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「自制心」は有限?嫌いな仕事・タスクを効率的にこなすため「自制心」を知る

米国の心理学協会が「自制心は有限な資源ではないかもしれない」と題する記事をアップしている。
嫌なタスクをこなす時に必要になる「自制心」の仕組みを知る事で、一日のスケジュールを効率的に管理できるようになるかもしれない。

紹介するのは、Association for Psychological Scienceがアップしている”Self-Control May Not Be a Limited Resource After All”という記事。自制心(セルフコントロール)にまつわる最新研究の成果が紹介されている。
心理学の最新研究をたよりに、自制心について考えてみよう。


「自制心」は有限?

ケーキをもう一切れ食べるのを我慢する、最新のガジェットを取り揃えた店の前を物欲に負けず通り過ぎる、テレビを見るのではなくやりたくないタスクをこなす・・・
日常では、自分がやりたくない事をやらなければならない場面が非常に多い。
そして、何かを我慢してがんばった後には、お菓子を食べまくったり、テレビを見てだらだらしたり、自制心が全然働くなってしまったという経験はないだろうか?

そこで考えつくのが、「自制心には限りがある」というアイディア。
甘い物を我慢するダイエットをしていたけど、ついに我慢の限界がきてケーキ食べちゃった!というような場面が思い当たる人は多いはず。

一日に使える自制心の量が限られているように感じるのは、きっと私だけではないだろう。

「自制心」有限モデル

自制心にまつわる研究はここ10年で広がったという。

そして、これまでそれらの研究は”Resource model of self-control(以下、有限モデルと呼ぶ)”に依拠する事が多かった。

このモデルによれば、自制心は有限な資源のようなものであり、例えばケーキを食べるのを我慢するとその分の自制心が消費されていく。
自制心を消耗しすぎると、もうそれ以上我慢する事ができなくなり、テレビを見たり買い物をしたり誘惑に負けてしまうのだという。

これはRoy Baumeisterという研究者が最初に提案したモデルで、このモデルを支持する数多くの論文も存在する。
ある研究によれば、自分の感情をコントロールすることを求められた人々は、そのあとで取り組むタスク(難しいパズルを解く、手の筋トレグッズに取り組むなどなど)において、パフォーマンスの低下が見られたという。
有限モデルを信じるとすれば、一日に使える自制心は有限なので、その自制心の量と相談しながら一日のスケジュールを考える事になるかもしれない。

「自制心」にまつわる最新の研究

最新の研究は、有限モデルとは異なる立場を示している。
トロント大学のMichael InzlichtとテキサスA&M大学のBrandon Schmeichelは、有限モデルはかつて考えられていたほど正確なモデルではないと指摘している。
最近の研究は、「自制心が減少する資源である」という考え方に反する結果を示しているそうだ。

InzlichtとSchmeichelによれば、インセンティブ、タスクの難易度に関する認識、意志の強さに関する自分の認識、気分の変化などが複合的に「自制する力」に影響を与えているらしい。

例えば、ケーキをもう一切れ食べるのを我慢した場合には、自制心が消費され減少するのではなく、自分を後で甘やかす正当な理由を感じるような動機が生まれるというのだ。
自制心が減少して0になったから自分をコントロールできなくなるのではなく、自分をコントロールしないことを選ぶ動機が生まれた、ということだ。

もちろんモチベーション以外の要因も「自制する力」に影響を与える。

注意力もその一つで、自制心を必要とするような対象ではなく、ある種の「報酬」を与えてくれるような対象に対して注意が向くように、注意力の対象が変化するのだという。いわゆる、自分へのご褒美っていうのはこれにあたるのかもしれない。
ダイエットをしている時に、ストレス解消とばかりに他の遊びに熱中してしまうのはこのせいだろうか。

「自制心」を正しく理解し、仕事を効率的に

最新の研究の方を信じた場合、自制心は有限ではなく、自分を甘やかす動機が生まれたり、ご褒美に注意が向いてしまうと言った事を通して、「自制心を使おうという意思」がなくなってしまうだけなのだ。

この事を理解すれば、自分の「ご褒美が欲しい!」という思いと戦ったり、小さなお菓子を用意して「ご褒美」をあらかじめセットしておくなど、難しい仕事ややりたくないタスクをこなすために必要なことが見えてくるのではないか。

面倒な事や嫌いな仕事・タスクは午前中の早い時間に終わらせておいて、午後には自分を甘やかす動機や注意力の散漫が生じるため、多くの気合いを必要とするタスクを避けるというのがいいかもしれない。

自制心は有限ではないから、「自制心を使おうという意思」の段階まで到達することができれば、午後にも自制心を使い続ける事はできる。

元記事は、最新のセルフコントロールに関する研究が、肥満やギャンブル中毒や麻薬中毒などの問題を解決するために役立つ、として締めくくられている。

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