既に強力なアプリが存在する市場に、特徴的サービスで殴り込み
スマートフォンを使っている人なら、誰でも少なくとも一つは利用しているであろうメッセンジャーアプリ。
iPhoneなどのiOSデバイスに入っているiMessage、Androidに入っているGoogleハングアウト、LINE、カカオトーク、WhatsAppなどなど、既に多数のユーザーを獲得しているメッセージングアプリは多数存在する。
この強力なライバルがあふれている市場に、特徴的なサービスをアピールして勝機を見いだそうとする新興メッセンジャーアプリが様々登場している。
今日は、海外ニュースサイトなどの記事で紹介されていた新興メッセンジャーアプリを紹介する。
メッセージ履歴をサーバー上から完全に削除できる“Wiper”
プライバシーに関する懸念を払拭
数多くのメッセンジャーアプリケーションの中、とりわけプライバシーや自分の情報を管理するための機能に優れたメッセージングアプリがある。
それが”Wiper”であり、iOSとAndroid両方でアプリが提供されている。
様々なTechニュースなどを扱う海外のニュースサイトThe Next Webが、「Chat App Wiper Deletes Conversations in One Click(チャットアプリWiperは、ワンクリックで会話を削除)」と題した記事でWiperを紹介している。
adds a button that, quite literally, wipes messages from the sender’s phone, recipient’s phone and the company’s own servers in seconds.
訳:[Wiperは]送信者のスマホ、受信者のスマホ、およびサーバーから、メッセージを数秒のうちに文字通り“Wipe”できるボタンを[一般的なチャットアプリに]加えたものだ。
例えば、日本でユーザーが非常に多いチャットアプリLINEは、一応送信済みのメッセージを削除できるが、あくまで削除できるのは送信者側の画面からのみであり、LINEでは受信者側のメッセージは削除できない。
いくら自分がプライバシーに気を使っていても、メッセージの受信者までコントロールする事は出来ない。
その点Wiperなら相手側からもメッセージを永久に削除できるため、送信者が受信者側にある自分の情報まで制御できるという非常に安心なメッセージングアプリである。
Wiperメッセンジャーは日本語でも提供されている。
Wiperメッセンジャー – プライベートテキストと通話
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング
価格: 無料
もちろん、iOSでもAndroidでも無料。
Wiperを使用するには、当然日本では比較的マイナーなアプリを相手にも入れてもらわなくてはならないのがちょっと不便だが、無料なのでなんとかなる。
セキュアな音声通話も可能
iOSやAndroidのそれぞれのアプリストアの説明欄を見てもらえれば分かる通り、「高音質サウンドで通話が楽しめる」のもWiperの売りの一つ。
基本的に、他のメッセンジャーアプリと変わりない充実した機能が提供されているといえる。
重要な情報をメッセンジャーアプリでやり取りするのは、一定のリスクが伴う。
大事な情報をやり取りする相手にはWiperを用いて、プライバシーを強化してみてはいかがだろうか。
インドでSoftBankが仕掛ける“Hike”
2千万ユーザーを超えたインドの新興アプリ
米ウォールストリートジャーナルのIT関連ニュース専門サイト、“Digits”は、
「Indian Messaging App Thrives By Blocking Snooping Moms
(訳:インドのメッセンジャーアプリが詮索好きのお母さんをブロックすることで成功)
と題した記事で、インドの新興メッセンジャーアプリ“Hike”を紹介している。
Hike messengerとアプリストアで検索すれば、AppleのAppStoreでも、Google Playでも見つかるはずだ。
hike messenger
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング
価格: 無料
当然だが、AppStoreでも、GooglePlayでも無料。
このアプリは、Bharti Enterprisesと日本のSoftBankが立ち上げたベンチャー”Bharti Softbank”が提供するものだ。
ユーザー数は、6月に2千万を超えたらしく、かなりのスピードで成長しているメッセンジャーアプリだと言える。
それにしても、インドにもばっちり進出しているSoftBankは結構すごい。
親にネットでの行動を知られたくない子供にターゲット
インドは、大家族の世帯が多く、またソーシャルメディアを通じて家族と繋がっている子供達が多いという。そのため、ソーシャルメディア上で「最終ログイン」日時や、「オンライン」と言ったステータスが表示され、常に親戚やお父さんお母さんにネット上での行動を監視されていると感じてしまう場合がありうる。
そこに目を付けたのがHike。「最終ログイン」といったステータスを表示しない事を、むしろ売りにするという手法だ。
“Hike”が注目を集めたCMをYouTubeで見る事ができるので、紹介しておこう。
CM内でのストーリーは、お母さんがアプリをチェックして「最終ログイン」などが表示されていない事を見て「うちの子は勉強してるんだわ」と判断するが、子供は親の知らないところでパーティーを楽しんでいるというもの。
まさに、両親にソーシャルメディアでの行動を監視されていると感じている若者層をダイレクトに狙ったCMであると言える。
チャット自体を隠せるHidde Mode
さらに、Hikeには“HIDDEN MODE”が搭載されていて、指定したチャットを隠す事ができる。
アプリ説明欄には以下のようにある。
HIDDEN MODE: an awesome new hike privacy feature which allows you to hide the chats that you want to keep private from the world and access them only with a password!
要するに特定のチャットを隠し、さらにパスワードを入力しなければそのチャットにアクセスできないという機能だ。
ウォールストリートジャーナルでは21歳の女性へのインタビューをしており、その女性は次のように話している。
「私のお母さんや、時には親友まで、私のチャットをチェックしたり、スマートフォンの中身を詮索したりするわ」「HikeのHIDDEN MODEは、そういう場合にすごく役に立つ」
Hikeを使うインドの若者達は大体こんな感じでHikeを使っているのではないか。
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